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みなとちゃん@minato0523沢北行方不明ってマジ?#沢北栄治 #山王工高 #バスケ部
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mokkun⚡修羅場@moku-moku-n俺でも知ってるバスケ強豪校じゃん。家出?事故??
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まゆゅ🐰@xo--mayu--xoあんま詳しくなぃけど、バスケ部強豪校のエースくんがいなくなっちゃったんだって😰😰💦知らない子だけど心配だゅ🥺#沢北栄治 #心配 #早く見つかりますように
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きょーや@1222kyoya-0なんか初出場の相手に負けるし沢北いなくなるし今年の山王なんなん#沢北栄治
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リコ🌸取引垢@L-LiCo-0v0試合に負けたから?周りになんか言われたの?うちの息子も中学の時、陸上で県の代表までいったけどプレッシャーで毎日吐いてたし、今でもバトン落とした瞬間の夢見るらしいから何かしらトラウマになってるのかも#山王工高 #沢北栄治
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さやか✩.*˚🎀@PFEeCVrNpAi0北沢くん😰プロフ見て💕#沢北栄治 #山王工高 #バスケ部 #副業 #出会える
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橘▶低浮上@tachibanana監督呪われすぎ
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MaTsuD[松田]@MAAAAAA0715-Dバスケはまったくわからんがこの北沢ってオシャレ坊主クッッッソイケメンで腹立つ#沢北栄治 #山王工高
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栄治🏀LOVE.゚♡.゚☆。・@ES-139-ballええええうそだろさわきたああああああああ!!!あああああああああ!!
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はすみ@hasumi-040108大丈夫 帰って来れるよ#きさらぎ駅 #運転手に注意 #トンネルはダメ
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dasu子@dasudasu-ko00秋田ってクマ🐻多いよね?まさか…🥶💦
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みぃ茶@MyTea-1225沢北いなくなったんマジかぁ…
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マッハ@mahhatanうせやん
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- 駅
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沢北がいなくなった。
あのIHが終わった夏、アメリカに飛ぶ少し前、色々準備があるからと、普段は滅多に使わない電車に乗って少し遠くの街まで行くのだと、めんどくさそうに、でも少し楽しそうに笑って向けられた背中が、アイツを見た最後の姿だった。
門限を過ぎても帰ってこないと、最初に気づいたのはアイツと同室の二年。おずおずと報告されたその言葉に、何してんだと青筋を立てて指を鳴らしていたのは、河田。掛けた電話から流れる無機質なアナウンスを聞いて顔を青くしたのは、松本。この辺ヤバい奴とかいたっけと携帯で調べ始めたのは、一之倉。監督まだ起きてたかと部屋を出て行ったのは、野辺。そこから一時間経ち、二時間経ち、日付が変わっても戻ってこない沢北に、静かに寮内がざわついていた。沢北の両親に電話を掛ける監督を見ながら、それでもまだこの時は、明日には帰って来るだろうと、久しぶりに街に出てはしゃぎすぎて迷子にでもなっているのだろうと、その場にいる全員が、恐らく思っていた。だが沢北は帰って来なかった。
七年経った今でもまだ。
大学四年、就職するかプロに進むか、悩んでいたオレの背をわずかに押したのは、ここでバスケを辞めたら二度とあの後輩に会えないかもしれないという、不確かながらも、嫌に現実味のある予感。直感とも言えるそれに従い(もちろん、それだけではないが)、現在は実業団に所属してプロ選手としてバスケを続けている。
仕事としてボールを操る中で、アイツのことを思い出さない日はなかった。パスを受けた先で、構えるゴール下で、似てもいないチームメイトの後ろに、山王の9番を背負ったアイツの姿が常に見える気がしていた。パスくださいよ、深っさん。聞こえるはずのないその声が何度も耳を掠めて、振り向いた先の誰もいない空間に、何度も肩を落とした。
聞きたいことは山程ある。
今、どこで何をしているのか。バスケは続けているか。七年前に何があったのか。どうして帰って来ないのか。怪我してないか。飯は食っているか。なんで、何で。
何で、オレの隣にいないのか。
「七年で死亡扱いになるなんて、ふざけた法律だピョン」
「アイツの親御さんはそんな申請しないだろ、まだまだ諦めてねえさ。おめぇもだろ」
「ピョン」
「明日何時の新幹線だ?」
「八時ピョン、そろそろ寝るピョン」
「ああ、んじゃな。今度こそ見つかるといいべ、頼んだぞ」
「ピョン」
秋田に帰る前日には、いつからか、あの頃のメンバーの誰かしらが電話を掛けてくるようになった。今日は河田だった。その前は一之倉。アイツらはきっと気づいているのだろう。オレと沢北の関係について。誰にも言ったことはないし、誰かから言われたこともないが、数日間のオフが取れる度に新幹線に乗り込むオレの様子から、いい歳なのに特定のパートナーを作らないところから、きっと。
「華の二十代をひとりで過ごさせるなんて、本当生意気な後輩だピョン」
一人呟いて、見慣れた駅に降りる。
卒業して、東京の大学に通っている間も、プロとして活動するようになってからも、何度も何度も通った改札を、今日も抜ける。そこは変わらず夏だった。アイツのいなくなった、あの夏と同じ、秋田の夏。アイツはまだ、ここにいる気がする。
シャンシャン、ドンドン、シャンシャンシャン。
夕暮れ時の、赤く照らされた世界に、遠くから祭囃子が鳴り響く。そういえばここは祭り好きの県だった。年中何かしらの祭りが開催されていて、部活で行けやしないのにソワソワした雰囲気を隠せないアイツが、確かにいた気がする。
シャンシャン、ドンドン、シャンシャンシャン。
背中から追いかけてくる祭囃子を聴きながら母校への道を歩く。ここを初めて並んで歩いたのは、アイツが一年の夏。合宿から脱走しようとしていたアイツと、同じく脱走しようとしていたオレが偶然鉢合わせて、電車に乗るのをやめて結局二人でダラダラと歩いて戻った。
シャンシャン、ドンドン。
あの角にあるコンビニは、アイツが二年になった春に新しく出来た。なんかつい肉とか買っちゃうスね、なんて笑いながら熱々のチキンに齧り付いていた姿を思い出す。高校生なんて、行ける範囲が限られている中、さらに部活で時間がないオレ達が、唯一一緒に過ごしたあの時間が、オレにとっては何よりも鮮明に残る、記憶の一つだった。
「さわきた」
ここへ戻ってくると、強烈に思い出す。どこもかしこもアイツの姿がチラついて、今にもひょっこり顔を出しそうなのに。なのに、視界には誰も映らない。ただの赤い世界。自然と足が止まったオレの背後から真っ黒なカラスが東に飛んでいく。ズルズルと落とした視線の先にも真っ黒な影、一人項垂れる男の影。西日に背中を照らされて濃く、長く落ちる暗い影。あの頃は隣にもう一つ、生意気にも頭一つ分高い影が並んでいたのに、今は自分一人だけ。
寂しい、なんてもんじゃない。心に穴が空いたようだった。
「深津さん?」
そう、こんな風に呼ぶ声を、いつでもオレは、